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Format - DOS/コマンドプロンプト コマンド一覧

ドライブをフォーマットしてMS-DOSやWindowsで利用できる状態にします。

構文

format[.com] <drive-letter>: [/V[:<label>]] [/Q] [/U]
  [/F:<size>] [/B | /S] [/C] [/P:<passes>]
format[.com] <drive-letter>: [/V[:<label>]] [/Q] [/U]
  /T:<track-count> /N:<sector-count> [/B | /S] [/C] [/P:<passes>]
format[.com] <drive-letter>: [/V[:<label>]] [/Q] [/U]
  [/1] [/4] [/8] [/B | /S] [/C] [/P:<passes>]
format[.com] <drive-letter>: [/FS:<file-system>] [/V[:<label>]] [/Q]
  [/A:<aus>] [/C] [/X] [/R:<revision>] [/D] [/P:<count>] [/S:<state>]
  [/I:<state>] [/TXF:<state>] [/DAX[:<state>]] [/LogSize:<size>]
  [/NoRepairLogs] [/NoTrim] [/DevDrv] [/Y]
<drive-letter>:

フォーマットしたいドライブの文字を指定します。文字の後ろには「:」(コロン)を付ける必要があります。Substで作成されたドライブやネットワークドライブなどを指定することはできません。

[Windows NT系] 「ドライブ文字 + :」の他にマウントポイントやボリューム名(Mountvolで確認できます)も指定することができます。

/V[:<label>] フォーマットしたドライブに付けるボリュームラベルを指定します。このオプションを省略するか、/Vを指定しても「:<label>」を指定しなかった場合は、フォーマット後にボリュームラベルを入力するプロンプトが表示されます。
/Q クイックフォーマットを実行します。既に(MS-DOSの場合はフォーマットしようとするファイルシステムと同じ形式で)フォーマットされているディスクに対してのみ有効です。
/U [MS-DOS のみ] 無条件フォーマットを実行します。このオプションを指定しなかった場合、既にフォーマットされているディスクをフォーマットする際に今までのアロケーションテーブルとルートディレクトリはフォーマットせずそのまま利用します。また、「/U」を指定しなかった場合はフォーマット開始後すぐに中止すると「Unformat」コマンドを使ってデータをある程度復元することができます。
/F:<size>:

フォーマット後のディスクサイズを指定します。主にフロッピーディスクをフォーマットする際に指定します。指定しなかった場合はドライブのディスクに合った最適なサイズが選択されます。指定できる主な値は以下の通りです。

指定する値サイズと意味
160、160K、160KB160KB、片面・倍密度・5.25インチフロッピーディスク
180、180K、180KB180KB、片面・倍密度・5.25インチフロッピーディスク
320、320K、320KB320KB、両面・倍密度・5.25インチフロッピーディスク
360、360K、360KB360KB、両面・倍密度・5.25インチフロッピーディスク
720、720K、720KB720KB、両面・倍密度・3.5インチフロッピーディスク
1200、1200K、1200KB、1.2、1.2M、1.2MB1.2MB、両面・高密度・5.25インチフロッピーディスク
1440、1440K、1440KB、1.44、1.44M、1.44MB1.44MB、両面・高密度・3.5インチフロッピーディスク
2880、2880K、2880KB、2.88、2.88M、2.88MB2.88MB、両面・超高密度・3.5インチフロッピーディスク
/B [MS-DOS, Windows 95/98 のみ] フォーマットした際、ディスク内にシステムファイルのための領域を確保します。このスイッチはMS-DOS 6.2以降は無視されます。/S スイッチとともに用いることはできません。
/S

[MS-DOS, Windows 95/98 のみ] フォーマットした際、ディスク内にシステムファイル(MSDOS.SYS、IO.SYS、COMMAND.COM、DBLSPACE.BINまたはDRVSPACE.BIN)をコピーします。システムファイルはコンピューターを起動したドライブからコピーされるため、必然的にそのMS-DOSのバージョン用の起動ディスクとなります。起動ドライブにシステムファイルが無い場合はシステムディスクを挿入する旨のメッセージが表示されます。

[Windows Me] このスイッチを使って起動ディスクを作成することはできません。起動ディスクを作成するには「アプリケーションの追加と削除」から「起動ディスク」タブを選択し、画面の案内に従ってディスクを作成してください。(作成後はCONFIG.SYSやAUTOEXEC.BATを編集して必要なファイル以外を削除することができます。)

※ Windows Vista以降では /S は別の意味を持ちます(後述)。

/C [MS-DOS, Windows 95/98/Me] 不良クラスタの再チェックを行います。/Cを指定しない場合は不良クラスタのマークがついたクラスタはそのまま残されますが、指定した場合はチェックが行われ、不良でないと判断されたらマークが外されます。
/C [Windows NT系] ドライブの圧縮を行います。ファイルシステムがNTFSの場合のみ有効です(場合によって/FSスイッチが必要です)。
/1 [Windows XPまで] フロッピーディスクを片面のみフォーマットします。ドライブがこの指定に対応している必要があります。
/4 [Windows XPまで] 5.25インチフロッピーディスクを360KB、両面・倍密度でフォーマットします。/1と合わせて指定すると180KB、片面・倍密度でフォーマットします。
/8 [Windows XPまで] 5.25インチフロッピーディスクをトラック当たり8セクターの形式でフォーマットします。このオプションを指定する場合/Vスイッチ(ボリュームラベルの指定)を使うことはできません。
/FS:<file-system>

[Windows NT系] フォーマットする際のファイルシステムを指定します。省略した場合はディスクのサイズや種類に合ったファイルシステムが自動的に選択されます。指定できる値は「FAT」「FAT32」「exFAT」「NTFS」「UDF」などです(Windowsのバージョンにより異なります)。

※ 「ReFS」は特定のWindowsのエディションでのみ指定することができます。

/P:<count> [Windows NT系] ボリュームのすべてのセクターを指定回数だけ、ランダムな数値を書き込んだうえでゼロを書き込みます。「0」を指定した場合はゼロのみを書き込みます。/Qスイッチとともに用いると無視されます。
/A [Windows NT系] アロケーションユニットのサイズを指定します。省略した場合は既定のサイズが用いられます。指定できるサイズはファイルシステムによって異なりますが、512以上の2の累乗数である必要があります。
/X [Windows NT系] 必要に応じて指定されたドライブを強制的にマウント解除(アンマウント)します。この場合、ドライブのハンドルが無効になるため指定されたドライブを利用していたアプリケーションでエラーが発生する場合があります。
/R:<revision> [Windows NT系] UDFフォーマットにおいて、UDFのバージョンを指定します。指定できるバージョンはWindowsによって異なります(「format /?」を実行して確認することができます)。
/D [Windows NT系] UDF 2.50において、メタデータの複製を行います。
/T:<track-count> ディスクの1面(片面)あたりのトラック数を指定します。トラック数を直接指定する必要があるため、通常は/Fスイッチを使います。なお、このスイッチを指定した場合は/Nスイッチも指定する必要があります。
/N:<sector-count> 1トラック当たりのセクター数を指定します。/Tと/Nで指定された値からディスクのサイズも決定されます。
/S:<state> [Windows Vista以降] 短いファイル名のサポートを有効にするかどうかを指定します。<state>には「enable」か「disable」のどちらかを指定します。既定値(enableまたはdisable)はOSなどによって異なります。
/I:<state> [Windows Vista以降] ReFSのみ: 整合性チェックを有効化するかどうかを指定します。<state>には「enable」か「disable」のどちらかを指定します。既定ではデータの冗長性がサポートされている場合に有効になります。
/TXF:<state> [Windows 8以降] TxF (トランザクションNTFS) を有効にするかどうかを指定します。<state>には「enable」か「disable」のどちらかを指定します。
/DAX[:<state>] [Windows 10以降] NTFSのみ: 直接アクセス記憶(Direct Access Storage; DAX)を有効にするかどうかを指定します。<state>には「enable」か「disable」のどちらかを指定します(「/DAX」のみを指定した場合は「/DAX:enable」と見なされます)。DAXを有効にするとデータの読み書きがキャッシュをバイパスして行われるようになりパフォーマンスが向上しますが、データ損失のリスクが上がります。なお、有効にするにはドライブのハードウェアがDAXをサポートしている必要があります。
/LogSize:<size>

[Windows 10以降] NTFSのみ: NTFSログファイルのサイズを指定します。<size> には数値(キロバイト単位)を指定します。0 以外の 2048 より小さい値を指定すると 2048 (2MB) が使用され、0 を指定するとボリュームサイズに依存した既定値が使用されます。

※ ヘルプでは「<size>」は省略可能な表記になっていますが、実際には省略できません。

/NoRepairLogs [Windows 10以降] NTFSのみ: NTFSの修復ログを無効にします。無効にした場合Chkdskのspotfixは使用できません。
/NoTrim [Windows 8以降] ディスクのトリム操作(ファイルなどが削除された際に確保されていたデータ領域を解放する操作)を無効にします。通常ではトリム操作は有効になっており、SSDなどにおいては有効にすることがパフォーマンスや寿命などで有利になりますが、/NoTrim を指定することで明示的に無効にすることができます。
/DevDrv [Windows 11 10.0.22621.2338以降] ReFSのみ: 「dev drive」としてフォーマットします。「dev drive」(または開発者向けボリューム)は開発においてパフォーマンス面で最適化されたボリュームです。(詳細は Windows 11 で Dev Drive を設定する | Microsoft Learnなどを参照してください。)
/Y [Windows 11 ???? 以降] 確認や入力のためのプロンプトを表示しません。このオプションを使用すると、必要に応じて強制的にマウント解除を行い、/V の指定が無い場合ボリュームラベルは空として処理されます。

解説

ドライブをフォーマットし、まっさらな状態にします。フォーマットすると以前の内容が失われるため、実行には十分に注意が必要です。なお、通常は起動ドライブをフォーマットすることはできません。

Formatは、(フロッピーディスクを除いて)フォーマット前に確認のメッセージを表示します (/Y が指定された場合を除く)。フォーマットを開始する場合は「Y」、中止する場合は「N」を入力します。

Formatは主に以下の終了コードを返します。Ifを使うことで条件分岐を行うことができます。

コード意味
0フォーマットは正常終了しました。
1コマンドラインが不正です。
3Ctrl+Cによって実行が中止されました。
5「別のディスクのフォーマットを行いますか?」のプロンプトで「いいえ」(N)が選択されました。
4上記以外の致命的なエラーが発生しました。

サンプル1

format A: /S

[MS-DOS, Windows 95/98] Aドライブ内のディスクを起動ディスクとしてフォーマットします。

サンプル2

format H: /FS:NTFS

[Windows NT系] HドライブをNTFSでフォーマットします。

サンプル3

format E: /FS:UDF /R:2.60

[Windows 7以降] EドライブのCD/DVD/BDをUDFバージョン2.60でフォーマットします(2.60はWindows 7から対応)。

関連項目